本年もとうとう今日で終わり、月日が経つのは早いですね。
この時期になると思い出すおばあちゃんがいます。
夏から通ったある老健施設で色カルタに
参加してくださったAさんのこと。
認知症状のある方で、幼いころの貧しい生活のことを
たくさんお話されました。
雪の降った日でも、長靴など勿論のこと、
わらじもないほどの生活だったのよ
だから「はだし」で
足の裏が真っ赤になっても一生懸命通ったわ
このセーターは、娘が買ってくれた
大好きな一枚よ と
繰り返し繰り返しお話しくださったAさんです。
年末を控え、ある時の色カルタのお題は
「来年の色はどんな色?」
Aさん、暫く考えた挙句、何やら手を廻しています。
私) Aさんの来年の色ってどの色ですか?
Aさん) ここにあるカルタすべての色が来年の色よ
私) 全部が来年の色ってどういう意味ですか?
Aさん) 私は今年、この色カルタでとっても
楽しい思いをしたのね。
おかげ様で本当に良い時間だったの。
だから、今度はこの色カルタを持って
たくさんの人とお話して
知らない人にこれを教えてあげたい!
私は暫く声が出ませんでした。
Aさん、立派な認知症の方です。
その方が、これまで楽しいひと時を過ごしたことを覚えていて
そして、他の人にも教えてあげたいなんて
すぐに状況が理解できなかったのです。
色カルタをAさんとした最後の機会でしたが
私が代わりに楽しいひと時を提供しましょうと
改めて決心した出来事です。
来年、改めて楽しい時を提供する人を
増やしていきたいと思います。
皆様、良いお年をお迎えください。
来年の彩色ケア色カルタ研究所を宜しくお願いします!!